プロローグ

現代、どこかの平行世界のトーキョーにて。
いつもと変わらない毎日が、突然に、刹那的に、変貌した。
トーキョーは謎の障壁により隔離され、トーキョー全ての人間にアビリティ_異能力が与えられたのだ。理解不明の超常現象がトーキョー各地に起き、人々は混乱の渦に巻き込まれた。アビリティを制御しようとする者、アビリティを悪用する者、自らのアビリティに殺される者。人口過密で悩まされていたトーキョーは、瞬く間に人を減らすことになる。
_それだけなら、まだマシだったのに。
変貌の日から数ヵ月後、トーキョーの空に大穴が空いた。ぽっかりと空いた大穴は暗く暗く、こちらからは何処と繋がっているのか分からない。それを見た人々は得体の知れない恐怖感に襲われた。人々の中にはこう思った人も居たという。_これは、何かの出入口なのではないか。…全くもってその通りだった。しばらく音沙汰もなかった大穴から、正体不明の化け物_エネミーが現れたのである。エネミーはただでさえ人の減ったトーキョーにて暴虐の限りを尽くした。優秀なアビリティを持つ人間を中心に殺された。皆、消えてしまった。
トーキョーに残ったのは、未だ優秀なアビリティを持たない者_エネミーから言わせると、デッドストックのみだった。